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戦時下日記

戦時下日記(11月7日-20日)

11月7日(月)

ノルド・ストリームの続報。

ロシアの対外情報庁長官セルゲイ・ナルイシキン(Sergey Naryshkin)が、トラス元英首相からブリンケン米国務長官へのメール(”It’s done”)を「間接的に」確認したと述べている。この「間接的に」とは、中国の諜報部門経由という意味だろう、というのがKim Dotcom氏の見立て。

ロシアからの報復については「最も懸命なやり方は何もしないこと」と指摘していて深く納得した。

なぜならロシアは勝っているからだ。メディアは報道しないが独立系の軍事専門家たちは、軍備の再増強を経て行われるこの冬の攻撃によってウクライナは倒れるだろうという意見で一致している。アメリカとNATOがどれだけの武器を追加でウクライナ軍に送ったとしても。

となればノルドストリームへの最も効果的な報復は報復しないことだ。誰がやったかはみな知っている。非西側諸国の目にはロシアと中国はますます思慮深く理性的なアクターに見えている。BRICSとその同盟国は支持を獲得する。新たな財政システムを伴う多元的秩序の誕生は不可避に見える。

ロシアは「報復を発表する」とか言いながら結局何もしていないようなので、その説明にもなっている。

11月10日(木)

アメリカのシリア=イラク国境への爆撃で民間人の死者30人。石油を運搬する船とか。

詳しく調べていないが、アメリカはシリアの資源(石油、ガス、小麦)の大半を略奪し続けていると言われているので、その関連か。

11月14日(月)

イスラエルがシリアに爆撃。

11月15日(火)

戦時下日記を書き始めたら「もう新しい秩序が始まっているのだ」という理解がやってきて、早くもやる気が低下していたところに大きなニュース。

13日のイスタンブールでの「テロ」とされる爆発事件(6人死亡、80人以上負傷)。直前にエルドアンがウクライナ戦争に関するアメリカの態度を非難するような発言をしていたので、CIAの関与を推測する声が聞かれたが、「まさかトルコほどの国に対してそれはないんじゃ」と思っていた。

だがしかし、今日のトルコ内務大臣のコメント。

私たちはこの事件がどのように仕組まれたか分かっています。この事件がどこから仕組まれたかも分かっています。この事件が伝えようとしているメッセージを理解しています。私たちはアメリカ大使の哀悼を受け入れません。拒絶します。

https://www.aa.com.tr/en/turkiye/turkiye-does-not-accept-us-condolence-over-istanbul-terrorist-attack-interior-minister-soylu/2737533

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先週末にロシア軍がヘルソン州の州都ヘルソンから軍を撤退させたニュースがあり、いろいろ総合すると、川向こうの州都ヘルソンに兵を置いておくことには物資の補給などの観点から不安があるのでロシア兵に多数の死者を出さないために(プーチン大統領が一番恐れているのはそれ、という意見に私は納得している)とりあえず一旦引いた、というような話に見える。

それが正しいかどうかはともかく、趣旨がまったく分からない状態で、ロシアが正式に発表して兵を引いた事実を、まるでウクライナの勝利であるかのように報道するBBCやらNHKには驚く。新聞(私が見てるのは中国新聞だけ)にも批判精神はまったく見られない。

でもまあずっとそうだったんだろうな~。
太平洋戦争中の日本の人たちの気持ちが今わかる。

一部の人たちは、ウソであることがはっきり分かっている。
だからといって何ができるわけでないことも分かっている。

それ以外の人たちも、全面的に信じているわけではないが、真実を知ったからってどうなるものでもないから、何となく信じているような顔をして暮らしている。

だから戦後になっていろいろウソだったことが分かり、戦勝国の方針にしたがって教えられ報道される内容がガラリと変わっても(そっちが本当というわけでもないのだが)、「やっぱりそうか」という感じで、全然対応できてしまうのだ。

衝撃を受けるのは生真面目な子供たちだけ、という。

今回、それが日本だけのことではないと分かったのがとにかく収穫だった。

11月16日(水)

ポーランド側の国境地帯にミサイルが着弾と報道。
ウクライナのミサイルである様子。

11月18日(金)

トッドが「ポーランドは要注意」と言っていたのを思い出したが、とりあえずアメリカ・NATOは大ごとになるのを避けようとしているのが感じられる。

しかし、ウクライナ政府は、ウクライナ国内の戦況についてはどんな虚偽・誇張を言っても許されるのに、ウクライナから西に戦線拡大の気配が見られた瞬間にはっきり否定されるという状況をどう感じるのだろうか。

ウクライナはどうなってもいいけど、他はダメ、という明確な意思表示を。

11月19日(土)

2014年のウクライナ東部上空でのマレーシア航空旅客機撃墜の判決。

1994年に発生したエストニア号沈没事件(NATO軍の船との誤衝突が隠蔽された強い疑いがあるという)との類似性を指摘する声を聞いた。

エストニア号の調査に深く関わったスウェーデンはまもなくノルド・ストリームの関連の報告書を出すとか。どういうクレンジングが行われるのか。楽しみ。

今回のもう一つの収穫は、ヨーロッパ各国も相当にアメリカの「ポチ」であるとわかったこと。全然よいことではないけれど、真実を知るのはよいことだ。

11月20日(日)

イスラエルがシリアに今週二度目の爆撃。

しかし(?)アメリカが現在関与している最低最悪の戦争はイエメンなのだという(Scott Horton情報)。ウクライナよりひどいという意味だ。今度調べよう。

広島では葉っぱの大きいモミジをよく見かける。もみじまんじゅうのモミジはこっちなのかも。