社会のしくみ

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記事一覧

ドイツ(1)
-日本とドイツ-

はじめに トッドの人類学理論を学び、紹介・展開していく中で、いつも引っ掛かりを感じていたのがドイツのことだった。ドイツは直系家族だ。地域によって多少のバリエーションはあるにせよ国土全体を直系家族が占めている。日本と同じで […]

日本史概観(4・完)
-天皇の位置-

  はじめに 「日本史概観」最終回のテーマは「天皇」である。なぜか。ご説明しよう。 前回も書いたように、戦国時代から後の日本の歴史は、ごく標準的な直系家族国家の歴史である。 まずは小国が並び立ち、覇権争いをする。 信長、 […]

日本史概観(3)
-鎌倉幕府、二つの動乱、直系家族国家の誕生-

鎌倉幕府ー綱引きが始まった (1)源頼朝ー朝廷と並び立つ武家政権の確立 平氏が朝廷を乗っ取って(最終的に)討たれたのに対し、東国に拠点を築くことで、天皇家と武家が並び立つ時代を現出させたのが源氏である。 源氏も天皇家の出 […]

日本史概観(2)
-摂関政治、院政と平氏-

平安末期ー父系の強化 飛鳥時代から平安時代までは、天皇を中心とした王侯貴族が大陸文化の独占によってその権威を保った時代であり、「舶来の権威」そのものの時代といえる。 しかし、その後半になると、天皇家を中心とした政権の枠内 […]

日本史概観 (1)
-建国の秘密-

日本にも秘密がある 10世紀末に直系家族の「権威」が誕生する以前、原初的核家族のヨーロッパが国家を作ることができたのは、ローマ帝国の遺産であるキリスト教の権威を借り受けたためだった。    *直系家族の「権威」と国家の関 […]

宗教と学問

脱キリスト教の開始とイデオロギーの誕生 宗教も国王も打ち捨てたフランスは、その「権威」の穴を何で埋めたのか。結論から言おう。学問である。 宗教の死によってイデオロギーの誕生が可能になる。人間は、消え失せた神のイメージの代 […]

カトリックとライシテのフランスー建国の秘密(西欧編)

ゲルマン人はなぜ国家を作れたのか? ヨーロッパにおける直系家族の起源は10世紀末、カペー朝のフランス(フランク王国)である。ローマ帝国分裂の頃からヨーロッパに入ってきていたゲルマン人たちは基本的に「家族システム以前」の原 […]

国家と宗教
ー一神教と多神教ー

神は権威を支える 国家を統治するために不可欠の道具は「正しさ」である。武力でも一時的な秩序維持は可能だが、長きに渡って共存していくことを前提とするのが国家である以上、いずれその正統性を「正しさ」(=法)に求めなければなら […]

国家の誕生

  「国家の誕生」は突然に 人類にとって、「人間らしさ」の獲得(約7万年前)に次ぐ大事件は、国家の誕生(紀元前3300年頃)だと思われる。 「社会」はおそらく7万年前から存在していた。農業も紀元前12000年頃には始まっ […]